尊敬語は、日本語で相手や目上の人への敬意を表すために不可欠な表現です。
このページでは、尊敬語の基本的な定義、敬語体系における位置づけ、そして具体的な作り方と使い方を網羅的に解説します。
特別な動詞を使った表現や、「お(ご)~になる」といった一般的な形、さらに「れる・られる」を用いた表現についても、分かりやすい例を交えながら説明します。
また、謙譲語や丁寧語との違い、そして尊敬語を適切に使うための注意点も学ぶことができます。
これらの知識を深めることで、より自然で丁寧な日本語表現力を身につけ、円滑なコミュニケーションに役立てましょう。
尊敬語とは?
尊敬語は、話している相手や目上の人への敬意を表すための言葉遣いです。
日本語の敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類がありますが、尊敬語は相手や目上の人を高めることで敬意の度合いを示します。
尊敬語を使うことで、相手への敬意や配慮を示すことができ、より丁寧で円滑な人間関係を築く助けとなります。
尊敬語の主な作り方
特殊な尊敬語
一部の動詞には、尊敬語として特殊な形があります。
これらは、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われるため、形と意味を覚えておくことが重要です。
行く、来る、いる → いらっしゃる
言う → おっしゃる
食べる、飲む → 召し上がる
見る → ご覧になる
くれる → くださる
する → なさる
お(ご)~になる
多くの動詞では、動詞に「お」または「ご」をつけ、「~になる」を続けることで尊敬語を作ることができます。
「お」を使うか「ご」を使うかは、動詞の種類によって決まります。
読む → お読みになる
書く → お書きになる
聞く → お聞きになる
話す → お話しになる
説明する → ご説明になる
来社する → ご来社になる
れる/られる
動詞に「れる」または「られる」をつけて尊敬語を作る方法もあります。
ただし、この「れる/られる」は、受身・可能・自発・存在の「れる/られる」と形が同じであるため、文脈での判断が必要です。
先生が話される。
本を読まれる。
社長が帰られる。
謙譲語/丁寧語との違い
日本語の敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類があり、それぞれ役割が異なります。
尊敬語:相手や目上の人を高めることで敬意を表します。
謙譲語:自分や自社(社内)の人間を低めることで、相手への敬意を表します。
丁寧語:文末を「~です」「~ます」などにすることで、相手に丁寧な印象を与えます。
「行く」
尊敬語:いらっしゃる
謙譲語:伺う、参る
丁寧語:行きます
「言う」
尊敬語:おっしゃる
謙譲語:申し上げる
丁寧語:言います
「する」
尊敬語:なさる
謙譲語:いたす
丁寧語:します
「見る」
尊敬語:ご覧になる
謙譲語:拝見する
丁寧語:見ます
「聞く」
尊敬語:お聞きになる
謙譲語:伺う
丁寧語:聞きます
尊敬語使用上の注意点
尊敬語は、相手や第三者への敬意を示すために使いますが、誰に対して、どのような状況で使うべきか、注意が必要です。
基本的には、自分より立場が上の人、顧客、取引先、先生、上司などに対して使います。
過剰な敬意はかえって不自然に聞こえることもあります。
誤用しやすい表現
相手の持ち物や家族の名前などに「お」「ご」をつけて呼ぶのは、尊敬語ではなく、丁寧語であることが多いです。
この場合、相手への丁寧さを示す表現であり、動詞の尊敬語とは区別されます。
お車
お名前
お宅
ご家庭
二重敬語とその回避
二重敬語とは、一つの言葉の中に尊敬語や謙譲語が二重に使われている表現で、過剰な敬意や不自然さを生じさせます。
特に、「お(ご)~になる」と「れる/られる」を組み合わせた表現や、複数の尊敬語を重ねた表現に注意が必要です。
×おっしゃられる → ○おっしゃる
×お読みになられる → ○お読みになる
×お召し上がりになられる → ○お召し上がる
×ご覧になられる → ○ご覧になる
二重敬語にならないように、より一般的で自然な表現を選ぶことが大切です。
上記例のように、よりシンプルな尊敬語の形に修正することで、自然で丁寧な表現になります。
