日本語NAT‐TEST(NAT-TEST)は、日本語を母語としない日本語学習者の日本語能力を測定する試験です。
1989年に最初の試験が実施されて以来、日本国内だけでなく、中国、台湾、韓国などの海外でも実施されており、毎年、受験者数、開催国の数は増えています。
NAT-TESTで出題される問題は、ベテランの日本語教育者や日本語教科書の編集者によって作成されており、大学の入学試験や留学申請の際に日本語能力の証明に利用できるJLPTに準拠しています。例えば、NAT-TESTの5級と日本語能力試験のN5はほぼ同じ難しさです。
NAT-TESTは、多くの日本語学校・日本語教育施設で授業の一つとして採用され、学生の成績評価や進路指導などに積極的に利用されています。
また、日本語学習者が定期的に日本語能力を確認するための試験として利用されています。
このページではNAT-TESTの概要、対象、難易度、合格率等を説明しています。
概要
NAT-TESTは、日本語を母語としない日本語学習者の日本語能力を測定する試験です。
1989年に最初の試験が実施されて以来、日本国内だけでなく、中国、台湾、韓国などの海外でも実施されており、毎年、受験者数、開催国の数は増えています。
専門教育出版 日本語NAT-TEST運営委員会により運営されています。
NAT-TESTでは、以下の3つが測定されます。
⚫︎ 文字、語彙、文法
⚫︎ 聴解
⚫︎ 読解
試験は読む、聞くを対象としており、マークシート方式で、作文や会話の試験はありません。
対象
NAT-TESTの対象は、日本語を母語としない日本語学習者です
試験日
NAT-TESTは年6回、2月、4月、6月、8月、10月、12月に実施されます。
2024年は日本では2月23日、4月21日、6月9日、8月11日、10月13日、12月8日に実施されます。
難易度
NAT-TESTの難易度は5つの級に分かれています。
1級が最も難しく、5級が最も簡単で、級毎に試験問題が異なります。
レベル毎の難易度は以下です。
1級
日本語を勉強し始めてほぼ1年を経過した人が到達しているであろうレベル。
上級の学習者、大学受験を目指す学習者、大学院受験を目指す学習者、JLPTのN1を目指す学習者が対象。
必要な語彙数は約10,000語、必要な漢字数は約1,850字、学習時間は約1,000時間。
2級
日本語を勉強し始めて9か月以上1年未満の人が到達しているであろう学習レベル。
将来、大学、専門学校に進学するために学んでいて、JLPTのN2を目指す学習者が対象。
必要な語彙数は約5,900語、必要な漢字数は約1,100字、学習時間は約800時間。
3級
日本語を勉強し始めて6か月以上9か月未満の人が到達しているであろう学習レベル。
将来、大学受験、専門学校受験、JLPTのN3を目指す学習者が対象。
必要な語彙数は約3,350語、必要な漢字数は約650字、学習時間は約600時間。
4級
日本語を勉強し始めて3か月以上6か月未満の人が到達しているであろう学習レベル。
JLPTのN4を目指す学習者が対象。
必要な語彙数は約1,700語、必要な漢字数は約300字、学習時間は約400時間。
5級
日本語を勉強し始めて1か月以上3か月未満の人が到達しているであろう学習レベル。
JLPTのN5を目指す学習者が対象。
必要な語彙数は約750語、必要な漢字数は約100字、学習時間は約200時間。
合格基準
合格基準は以下の2つです。
⚫︎ 総合得点が合格点以上
⚫︎ 各セクションの得点が合格点以上
以下が総合得点、知識(文字/文法/語彙)、読解、聴解、の合格点です。
レベル | 総合得点 | 知識 | 読解 | 聴解 |
---|---|---|---|---|
1級 | 100/180 | 19/60 | 19/60 | 19/60 |
2級 | 90/180 | 19/60 | 19/60 | 19/60 |
3級 | 95/180 | 19/60 | 19/60 | 19/60 |
レベル | 総合得点 | 知識/読解 | 聴解 |
---|---|---|---|
4級 | 90/180 | 38/120 | 19/60 |
5級 | 80/180 | 38/120 | 19/60 |
合格率
2023年の試験の級ごとの受験者数、合格者数、合格率は以下です。
2023年2月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | 191 | 73 | 38.2 |
2級 | 693 | 292 | 42.1 |
3級 | 2,369 | 1,326 | 56.0 |
4級 | 11,633 | 5,893 | 50.7 |
5級 | 13,297 | 7,632 | 57.4 |
全体 | 28,183 | 15,216 | 54.0 |
2023年4月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | ー | ー | ー |
2級 | 724 | 335 | 46.3 |
3級 | 2,498 | 1,315 | 52.6 |
4級 | 9,766 | 4,252 | 43.5 |
5級 | 11,260 | 6,166 | 54.8 |
全体 | 24,248 | 12,068 | 49.8 |
2023年6月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | 149 | 56 | 37.6 |
2級 | 463 | 172 | 37.1 |
3級 | 1,767 | 884 | 50.0 |
4級 | 5,589 | 2,614 | 46.8 |
5級 | 6,487 | 3,398 | 52.4 |
全体 | 14,455 | 7,124 | 49.3 |
2023年8月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | ー | ー | ー |
2級 | 666 | 247 | 37.1 |
3級 | 2,473 | 1,302 | 52.6 |
4級 | 6,327 | 2,520 | 39.8 |
5級 | 10,584 | 5,599 | 52.9 |
全体 | 20,050 | 9,668 | 48.2 |
2023年10月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | 230 | 75 | 32.6 |
2級 | 799 | 248 | 31.0 |
3級 | 3,080 | 1,547 | 50.2 |
4級 | 6,750 | 3,004 | 44.5 |
5級 | 13,804 | 7,694 | 55.7 |
全体 | 24,663 | 12,568 | 51.0 |
2023年12月
レベル | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
1級 | ー | ー | ー |
2級 | 734 | 298 | 40.6 |
3級 | 2,432 | 995 | 40.9 |
4級 | 5,561 | 2,003 | 36.0 |
5級 | 10,646 | 5,803 | 54.5 |
全体 | 19,373 | 9,099 | 47.0 |
合格率は30%〜50%です。
最も難易度が高い1級の合格率が低く、最も難易度が低い5級の合格率が高い傾向があります。
受験方法
日本、外国で受験する場合の受験方法は以下です。
1.受験料を支払い、申し込む(試験受付締め切りまで)
2.メールまたは紙で受験票受け取り(試験の約2週間前〜1週間前)
3.試験を受ける
4.成績表を受け取る(試験の約3週間以内)
NAT-TESTでは、合格者に対して合格証が発行されます。
試験会場
日本ではNAT-TESTは以下の年で実施されます。
⚫︎ 東京
⚫︎ 大阪
また、海外でもNAT-TESTを受験することができ、以下の国・地域で試験が実施されます。
⚫︎ 中国
⚫︎ ベトナム
⚫︎ ネパール
⚫︎ ミャンマー
⚫︎ インドネシア
⚫︎ スリランカ
⚫︎ モンゴル
⚫︎ カンボジア
⚫︎ バングラデシュ
⚫︎ フィリピン
⚫︎ インド
⚫︎ タイ
⚫︎ ウズベキスタン
⚫︎ ブータン
⚫︎ キルギス