標準ビジネス日本語テスト(STBJ)は、一般的な日本語の語彙や表現、ビジネスの場面での日本語の語彙や表現だけではなく、ビジネスに求められる敬意表現やビジネスマナーに関する知識も測定する試験で、2007年から実施されています。
ビジネスの場面での日本語は、一般日本語や高等教育機関に進学するためのアカデミックジャパニーズとは異なり、上司の指示を理解すること、場面や相手に応じて表現を使い分けること、適切な敬語表現を使用すること、書き言葉と話し言葉を使い分けること、グラフ/図/表などから大意を読み解くこと、電話で応対することなどを含んでいます。
ビジネスの場面での日本語能力を基礎レベルから応用レベルまで細かく測定できるため、日本企業への就職を希望する日本語学習者が受験することが多いですが、日本への留学を希望する日本語学習者も受験しています。
このページではSTBJの概要、対象、難易度、合格率等を説明しています。
概要
STBJは、一般的な日本語の語彙や表現、ビジネスの場面での日本語の語彙や表現だけではなく、ビジネスに求められる敬意表現やビジネスマナーに関する知識も測定する試験で、2007年から実施されています。
STBJは、一般社団法人 応用日本語教育協会により開催されています。
STBJでは、以下が測定されます。
⚫︎ ビジネスに必要な語彙、表現の知識があり、適切に運用できる能力
⚫︎ 日本人がビジネスの場面で使用する様々な表現の意図を理解できる能力
⚫︎ ビジネスの場面で必須の敬意表現の適切な運用能力
⚫︎ 日本人独特の配慮表現についての知識と運用能力
⚫︎ ビジネスの場面で必須のビジネスマナーや慣行に関する知識
SRBJの試験項目は以下です。
⚫︎ 聴解能力
⚫︎ 会話能力
⚫︎ 読解能力
⚫︎ 語彙能力
試験はマークシート方式で、作文や会話の試験はありません。
対象
STBJは⽇本語を⺟語としない人を対象としています。
特に日本企業への就職を希望する日本語学習者、日本への留学を希望する日本語学習者を対象としています。
試験日
STBJは年6回、2月、4月、6月、8月、10月、12月に実施されています。
難易度
STBJでは、得点に応じて、BJ1、BJ2、BJ3、BJ4、BJ5のレベルで判定されます。
BJ1が最もレベルが高く、BJ5が最もレベルが低いです。
レベル毎の難易度は以下です。
BJ1
⚫︎ 企業内での日本語による業務が可能なレベル
⚫︎ 来訪者との会話における敬意表現が使用可能
⚫︎ JLTPのN1〜N2レベル
BJ2
⚫︎ 企業内での日本語による業務が概ね可能なレベル
⚫︎ 聴解能力は十分であるが、発音には誤りもある
⚫︎ JLTPのN2〜N3レベル
BJ3
⚫︎ 企業内での日本語による業務が時に困難なレベル
⚫︎ 聴解能力でも発話能力でも正確さを欠く
⚫︎ JLTPのN3〜N4レベル
BJ4
⚫︎ 企業内での日本語による業務はかなり困難なレベル
⚫︎ 暗記している文章のみ使用し、応用能力は乏しい
⚫︎ JLTPのN4〜N5レベル
BJ5
⚫︎ 企業内での日本語による業務は不可能なレベル
⚫︎ 日本語学習の入門期程度の知識しかない
⚫︎ JLTPのN5レベルまたはN5以下のレベル
合格基準
STBJには合格、不合格がなく、得点に応じてレベルが判定されます。
レベルは得点に応じて以下の通り判定されます。
レベル | 得点 |
---|---|
BJ1 | 800ー1000点 |
BJ2 | 650ー790点 |
BJ3 | 450ー649点 |
BJ4 | 250ー449点 |
BJ5 | 0ー249点 |
合格率
STBJには合格、不合格がなく、得点に応じてレベルが判定されます。
試験毎の判定結果は公表されていません。
2019年は、4,286人が受験しています。
受験方法
受験方法は以下です。
1.試験を受ける国の実施事務局を確認し、日程、会場、スケジュール、申し込み方法を確認する
2.申し込み、受験料を支払う
3.受験票を受け取る
4.試験を受ける
5.試験結果を受け取る(試験の約10日後)
試験会場
日本国内では、日本語学校、大学、専門学校、企業等の団体が試験会場を設置して実施します。
そのため、所属する学校、大学、企業等に実施有無を問い合わせる必要があります。
海外では、以下の国・地域で定期的に試験が実施されます。
⚫︎ 中国
⚫︎ ベトナム
⚫︎ スリランカ
また、以下の国・地域でも、日本語教育機関により試験が実施されています。
⚫︎ 韓国
⚫︎ 台湾
⚫︎ タイ