実用日本語運用能力試験(TOPJ)

実用日本語運用能力試験(TOPJ)は日本語学習者の語彙、文法、文型などの基礎能力を測定すること、日本に滞在している外国人や日本で仕事をしている外国人の日本社会または日本企業の習慣と文化に対する理解度を測定すること、を目的とした試験で、2008年に開始しました。

日本での留学を申請する際には、TOPJの成績は日本語能力の証明となり、留学の機会を得る可能性が高くなります。

例えば、初級Aを取得した場合は、日本の日本語教育機関で留学するために十分な日本語力を備えていると証明できます。

また、TOPJの成績は日本社会または日本企業に対する理解の証明となり、就職の機会を得る可能性が高くなります。

例えば、上級Aを取得した場合は日本社会または日本企業に対する理解があることを示し、日本企業の通訳等の仕事ができることを証明できます。

日本での留学、就職の予定が無い場合でも、日本語学習者が、日本語学習の進捗を確認することを目的として、受験することも多いです。

このページではTOPJの概要、対象、難易度、合格率等を説明しています。

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概要

TOPJは日本語学習者の語彙、文法、文型などの基礎能力を測定すること、日本に滞在している外国人や日本で仕事をしている外国人の日本社会または日本企業の習慣と文化に対する理解度を測定すること、を目的とした試験で、2008年に開始しました。

TOPJは⼀般財団法⼈アジア国際交流奨学財団により主催されています。

試験内容は、日本国内及び海外の日本語教育分野で活躍している専門家と教授により開発されています。

TOPJでは、以下の3つが測定されます。

⚫︎ 聴解

⚫︎ 文字、単語、文法

⚫︎ 読解

試験はマークシート方式で、作文や会話の試験はありません。

対象

TOPJは、日本語を母国語としない日本語学習者を対象としています。

試験日

TOPJは年6回実施されます。

2024年は、1月14日、3月10日、5月12日、7月14日、9月8日、11月3日に実施されます。

難易度

TOPJには上級、中級、初級の3つの試験があります。

上級は、試験の得点に応じて、上級A、上級B、上級Cで判定されます。

上級AはJLPTのN1以上の難易度です。上級B、上級CはJLPTのN1と同等の難易度です。

中級は、試験の得点に応じて、中級A、中級B、中級Cで判定されます。

中級A、中級BはJLPTのN2と同等の難易度です。中級CはJLPTのN3と同等の難易度です。

初級は、試験の得点に応じて、初級A−4、初級Aー5、初級B、初級Cで判定されます。

初級A−4はJLPTのN4と同等の難易度です。初級Aー5はJLPTのN5と同等の難易度です。初級B、初級CはJLPTのN5以下の難易度です。

上級、中級、初級の難易度は以下です。

上級A

日本語が母語である話者のどのようなレベルにも柔軟に対応できる能力を有する。

上級B

学会、研究会、職場の会議等で自身の考えを十分に表現することができる。

また、ビジネスの場面において、メール等の書面でのやりとりを問題なく行うことができる。

上級C

高等教育機関において、自身の研究について、他者と協議、討論をすることができる。

また、専門分野の著書や論文を読み、その内容を理解した上で自身の考えを書くことができる。

職場では、一般的な電話対応の他、定型文を用いたビジネスメールでのやり取りができる。

中級A

学校や職場等、自身の属する環境において、相手と十分なコミュニケーションをとることができる。

また、自身の専攻、専門分野における著書や論文を読み、最低限の内容を理解した上で、レポート等を作成することができる。

中級B

学校や職場等、自身の属する環境において、面識がある相手と十分なコミュニケーションをとることができる。

また、既有知識の範囲内であれば簡単なエッセイ、レポートなどを書くことができる。

中級C

日常的な会話であれば、十分なコミュニケーションをとることができる。

また使用頻度の高い語を理解し、ある程度まとまった文章を書くことができる。

初級A−4

日常生活において使用頻度の高い語を理解し、相手とコミュニケーションをとることができる。

初級A−5

日常生活において使用頻度が高い語を理解し、簡単な会話をすることができる。

初級B

日常生活において使用頻度が高い語をある程度理解し、単語レベルであれば相手とのやり取りをすることができる。

初級C

日本語に興味を持ち、ひらがな、カタカナ、漢字等の日本語に触れる環境がある。

合格基準

TOPJには合格、不合格は無く、試験の得点に応じて判定されます。

試験の得点に応じた判定基準は公開されていません。

合格率

TOPJには合格、不合格は無く、試験の得点に応じて判定されます。

2019年のTOPJの受験者数、レベル毎の人数は以下です。なお、2020年以降の情報は公開されていません。

上級

レベル受験者数
(人)
レベル毎の人数
(人)
上級A13
上級B35
上級C63
判定外163
全体274274

中級

レベル受験者数
(人)
レベル毎の人数
(人)
中級A28
中級B81
中級C262
判定外868
全体1,2391,239

初級

レベル受験者数
(人)
レベル毎の人数
(人)
初級A−42,227
初級A−510,935
初級B、初級C、判定外10,470
全体23,63223,632

受験方法

日本で受験する場合は、「キャリタス資格・検定」のページから申し込みます。

海外で受験する場合は、各国の事務所に問い合わせて申し込み方法を確認する必要があります。

試験実施後、2週間以内にTOPJのウェブページから得点と判定結果を確認できます。

また、試験実施後、1ヶ月以内に受験者宛に試験結果通知書が送付されます。

試験会場

TOPJは日本の以下の都道府県で実施されます。

⚫︎ 東京

⚫︎ 千葉

⚫︎ 神奈川

⚫︎ 京都

⚫︎ 大阪

⚫︎ 福岡

⚫︎ 沖縄

実施日によっては開催されない場合もあります。

また、海外でもTOPJを受験することができ、以下の国・地域で試験が実施されます。

⚫︎ 中国

⚫︎ ベトナム

⚫︎ ネパール

⚫︎ 台湾

⚫︎ スリランカ

⚫︎ ミャンマー

実施日によっては開催されない場合もあります。

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